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2005.04.08

分散和音のレシピ――無伴奏チェロ組曲

バッハの《無伴奏チェロ組曲》全6曲!

もう、これは至高の音楽。この曲、しかも独奏はあのパブロ・カザルス、
てなことになった場合、この構図はほとんど一種の宗教。
でなければ深遠な哲学の世界。

もっとも、音楽は哲学なんぞよりはるかに深い、という人もいるし、
かのシェイクスピアだってかのハムレットにしゃべらせている。
「この天と地のあいだには哲学などの思いもよらぬことがあるのだ」
(第1幕第5場、小田島雄志訳)。

その「哲学の思いもよらぬもの」の範疇に属するのが、この組曲。
先年亡くなられたチェリストにして偉大な教育者、井上頼豊氏のことばを
引用するなら、まさに「チェロがまだ独奏楽器として確立していない時期
に生まれた、前例のない、奇跡というほかはない作品」
(『新編世界大音楽全集』の解説、音楽之友社)なのである。
                                        
したがって、ここでその奇跡、および曲ができた軌跡をたどっても、
すでに鬼籍に入って久しい方のこと、しょせん分かろうはずもないし、
古くはカザルス、近年ならロストロポーヴィチビルスマヨーヨー・マ
鈴木秀美その他たくさんある録音にじっと耳を傾ければ十分。
何の解説もいらないのだが・・・

 バッハの音符たち ―池辺晋一郎の「新バッハ考」― より
  バッハの音符たち―池辺晋一...

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