分散和音のレシピ――無伴奏チェロ組曲
バッハの《無伴奏チェロ組曲》全6曲!
もう、これは至高の音楽。この曲、しかも独奏はあのパブロ・カザルス、
てなことになった場合、この構図はほとんど一種の宗教。
でなければ深遠な哲学の世界。
もっとも、音楽は哲学なんぞよりはるかに深い、という人もいるし、
かのシェイクスピアだってかのハムレットにしゃべらせている。
「この天と地のあいだには哲学などの思いもよらぬことがあるのだ」
(第1幕第5場、小田島雄志訳)。
その「哲学の思いもよらぬもの」の範疇に属するのが、この組曲。
先年亡くなられたチェリストにして偉大な教育者、井上頼豊氏のことばを
引用するなら、まさに「チェロがまだ独奏楽器として確立していない時期
に生まれた、前例のない、奇跡というほかはない作品」
(『新編世界大音楽全集』の解説、音楽之友社)なのである。
したがって、ここでその奇跡、および曲ができた軌跡をたどっても、
すでに鬼籍に入って久しい方のこと、しょせん分かろうはずもないし、
古くはカザルス、近年ならロストロポーヴィチ、ビルスマ、ヨーヨー・マ、
鈴木秀美その他たくさんある録音にじっと耳を傾ければ十分。
何の解説もいらないのだが・・・
バッハの音符たち ―池辺晋一郎の「新バッハ考」― より
バッハの音符たち―池辺晋一...
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70903/3615490
この記事へのトラックバック一覧です: 分散和音のレシピ――無伴奏チェロ組曲:

コメント