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2005.03.06

非和声音と調性の魅力(つづき)

《平均律クラヴイIア曲集》は2巻から成る。各巻24曲。すべてちかう調。12の長調と12の短調。そして各曲が「プレリュード」と「フーガ」の2曲を持つ。つまりここには細かく割れば2×24×2=96曲が在るわけで、実にもうこれは、何というか、ものすごい設計と実践なのだ。

さてここで「フーガ」の説明、となるのかな。けれどもそれはすでに《フーガの技法》を扱った折、済ましている。今回は「プレリュード」といこう。僕の大好きな曲が、第1巻にあるのです。それを。

第24番ロ短調の「プレリュード」。子供の頃から大好きなのだ。あの頃、というのはつまり僕が小学校へ入ったか人らぬかの頃で、ラジオのクラシック番組に、この曲をテーマにしたものがあった。弦楽合奏に編曲したものだったが、その美しさは幼い僕にも十分感じとれたのだろう。いまだに、あの頃(実は病弱で就学が1年遅れたほどだったから)臥せっていた布団のぬくもりや薬の匂いとともに、鮮烈に記憶がよみがえるのである。

この曲の美しさについて、今となっては何なのかを語ることができる・・・

 バッハの音符たち ―池辺晋一郎の「新バッハ考」― より
  バッハの音符たち―池辺晋一...

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