モテット《イエスよ、わが喜び》 BWV227
ライプツィヒ時代初期はカンタータの時代であるが、あえて最初に
モテットをとろう。
バッハのモテットはカンタータにくらべると地味で、管弦楽も活躍しないし、
長さも限られている。だが合唱の扱いは精妙で、和声も含蓄が深い。
そこから一曲となると、私はもっとも長い《イエスよ、わが喜び》を、
つねに選ぶ。
葬儀用の作品だけに、選ばれたコラールの曲想は、
題名とは裏腹に悲しい。だが「肉を去って霊にあれ」という
使徒パウロの言葉がこれと対比されることによって、
この世の空しさの感情が、しだいに慰めへと変わっていく。
その中で第九節の「お休み」の呼びかけが、とりわけ美しく
胸に響く。
以上、J・S・バッハ 磯山雅 講談社現代新書より
J・S・バッハ講談社現代新書
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

最近のコメント